Fate/Zero Vol,3感想ニトロプラスの虚淵玄氏が執筆する、Fateの外伝小説「Fate/Zero」第3巻「散りゆく者たち」の感想です。 カラーページは七大サーヴァントのパラメータ 登場人物紹介も2巻であらかた終わって、 何やるかと思いきや、Fateではお馴染みのパラメータ表が。 細かいステータスの他にも、色々と明らかになった設定がちらほら。 ・ライダーの『神威の車輪』による突撃戦法の名前は『遥かなる蹂躙制覇(ヴィア・エクスプグナティオ)』。 ・アサシンの分裂能力は宝具『妄想幻像(サバーニーヤ)』(妄想シリーズ第三段。そろそろネタ切れか? ・バーサーカーは三つ宝具があるらしい。 ヘラクレスと同じで、狂化してるから使えないと言う設定なのか・・・ 続くカラーページでは、ライダー&ウェイバー、エクスカリバーを振るセイバー、時臣と幼女凛。 ライダーの『アドミラブル大戦略』Tシャツ姿、イラストで見たかっただけにこれは嬉しい。 髭ちゃんと龍ちゃんはベストパートナー! 冒頭からいきなり、私お気に入りの殺人鬼コンビ登場w この世に神などいないと断ずるキャスターに対し、 善も悪もあわせて、神は人間を愛して弄んでいると言う龍之介。 対立するのかと思いきや、龍之介の思想に大喜びの旦那。 背徳の師弟はますます絆を深め、比翼連理の仲となるのでした(ぉ ちょっと感動した。結構マジで。 アーチャー&言峰問答 調査したマスター達について、言峰自身の口から語らせる事で、神父の内面を暴き出す・・・ あの傲岸不遜さからは想像もつかぬ心理分析を披露してみせた英雄王。 Zeroの英雄王は、戦ってる時以上にこうして言峰と会話するシーンに魅力を感じるな。 Zero版ギルガメッシュは「人間の業を愛でる」という新たなキャラクター付けをされた事で、 Fate本編とは少々別物になりつつありますが、新しい魅力を開花させてますね。 Zeroの英雄王は、本編よりもかなり知的な印象を受けます(え、てことは我様四年後には思考が退化(以下削除 ウェイバーの すごい ツンデレ イスカンダルの伝記を読んでるところを当の本人に見つかって、赤面するウェイバー。 何と言うツンデレぶり・・・もし赤面するウェイバー君のイラストがあれば、 多くの人間を誤った道へと堕落させることでしょうw 征服王様は、やっぱり思想も常人離れ。 ちっぽけな己を認め、それでなお大望を抱く姿こそ素晴らしい。 何だかんだ言いながら、征服王に感化されて成長するウェイバーは初々しい(ぉ 結局、今巻でもこれといった見せ場は無かったけど(ぉ クトゥルー召喚w キャスター、『螺湮城教本(プレラーティーズ・スペルブック)』の魔力を全開にして、巨大な『海魔』を召喚。 『螺湮城』が『ルルイエ』を意味する事といい、これがクトゥルーなのは間違いないですね(ぉ さすが、銃とクトゥルーはニトロプラスのお家芸だな!! わんだばだば わんだばだば わんだばだば~♪ 未遠川河口に謎の巨大怪獣出現! F15戦闘機、ディアボロ1、ディアボロ2、発進せよ! これ何てウルトラ警備隊? まさかFate世界で戦闘機が出てくるなんて、誰が予想しえただろうか・・・ しかし、Zeroはこの後、さらに読者の度肝を抜く展開を見せることに・・・ 合体!龍騎兵(ドラグーン)バーサーカー!! 今巻最高のサプライズは、俺的にはここだったな・・・ 戦闘機に飛び乗り、戦闘機そのものと一体化するバーサーカー!! 『手にした武器を全て自分の宝具にする』、バーサーカーの能力をこんな形で生かしてくるとは、驚嘆しましたよ・・・ 虚淵玄すごいな・・・よくこんな発想ができるよ。 Fateの売りである、キャラクターの魅力以外の部分なので、余計にそう感じる。 そのまま、英雄王の乗る輝船(ヴィマーナ)と激しいドッグファイトを演じるバーサーカー。 Fateでガチ空中戦を見られる日が来るとは。 夜空を舞台に、黄金の宝具と呪装化ミサイルが乱れ飛ぶ・・・うう、是非映像化して欲しいぞ! 飛んで火にいる間桐の虫 時臣が娘の桜を間桐家にやった理由は『凡俗に堕とすのが可哀相』だったから。 彼の価値観は、絶対的に『魔術>>>(越えられない壁)>>>他の全て』なんですね。 ここに来て、時臣の“魔術師”としてのスタンスと、その異常性が際立ってきました。 その“人でなし”っぷり、個人的にはかなり好感度上がりました(え 青髭も龍之介も英雄王もそうだけど、一般常識と大きく隔絶した独特の思想を持つ人は大好きです(ぉ まぁ・・・後半の方で、ちょっとフォローしてたのが残念だけど・・・ ここは最後まで、人でなしのままで行かなきゃ。 雁夜が単身で戦えたのは結構意外。杖に炎といい、時臣はどこまでも正統派魔術師だなぁ。 さよなら龍ちゃん 初めて見物に現れた龍之介。 キャスターの召喚した海魔に狂喜乱舞するも、そこを衛宮切嗣に狙撃され死亡・・・ まぁ、生き残れないとは思ってたけどね。それにしてもアッサリ過ぎる・・・ 青髭と龍之介に関しては、冒頭の会話の時点で語り終えたということか。 ジル・ド・レェ、光になれぇぇぇぇぇぇ!!! 当初の予想では、『セイバーは左手が使えないのでエクスカリバーが撃てない→キャスターを倒すにはエクスカリバーが必須→なので、ランサーが脱落した後、キャスターと決着』 の流れだと思ってたんですよ。 しかし、まさかランサーが自ら槍を折るとは、これまた予想外でした。 これまでもそうだけど、Zeroはとことん予想を裏切ってくれるなぁ・・・ けど、流石にランサーはお人よしが過ぎるんじゃないかと、ご都合主義的なものを感じてしまった(ぉ 途中バーサーカーの妨害があるも、エクスカリバーが発動して海魔、およびキャスター消滅。 ううん、やっぱりキャスターは背徳に耽溺している姿が一番魅力的なんで、最後の最後で人間らしさを取り戻すのは似合わないと思ったり(ぉ でも、あれだけ散々好き勝手やった挙句が、安らかな消滅とか、とことん神は悪党に甘いですな~(ぉ 何だか仲のいい英雄王と征服王 セイバーの活躍を見届けた二人の王。 前回の酒盛りに続き、どっか仲良さそうですこの二人w ここで、英雄王がセイバーに惹かれた理由が明らかに。 それは、かつて神の隣を目指そうとして死んだ親友が大きく影響していた。 ヒトの領分を越えた悲願に手を伸ばす者の生き様を何よりも尊ぶからこそ、 英雄王はセイバーに執着するようになったのでした。 言峰璃正死亡 言峰父、キャスター討伐の追加令呪をケイネスに渡した後、ケイネスの手によって射殺。 死ぬことは知ってたのですが、それがケイネスによるものとはこれまた予想外。てか予想できた人いるのか。 てっきり、神を憎むキャスターの八つ当たりに巻き込まれるのかと(ぉ ランサー、自害!! この展開にも驚かされた。 ランサーは片槍のみ、ソラウを攫われ、ケイネスは復帰するも令呪は一つだけ・・・ すっかり敗色が濃厚となったこのチームを待っていたのは、虚しくも凄惨なる幕切れでした。 切嗣に脅され、ランサーを自害させる契約を結ぶケイネス。 二度も主君に裏切られたランサーは、忠義を重んじる彼にはまるで似合わない、 相手を呪い殺すほどの恨み節を吐いて消滅・・・ ケイネスとソラウも、契約の穴を突かれ、マシンガンで蜂の巣に・・・ ケイネスは最初から最後まで、切嗣の冷徹さ非道さを引き立てる役割を与えられてしまいましたな・・・ 結局、ソラウは作中でもっともどうでもいい扱いを受けて死んでしまいました。 もうちょっと、婚約者とサーヴァントを交えたドロドロ三角関係が行き着く先というのも、見てみたかった気がします。 埋まらぬ溝 セイバーに対して、ついに自らの本音をぶちまける切嗣。 う~ん、燃えとか萌えとか、読者の視点を捨てれば、やっぱり切嗣の言い分が正しいように思えるな。 セイバーにしろ士郎にしろ、綺麗事を語っていられるのは自分が勝者である間だけだし。 戦いとは尊いものであるなんて言葉は、敗北の絶望を知らない者の戯言でしかないのよね。 誇りだの信念だの言っても、殺人に自分勝手な私情を持ち込んでいる点では 青髭&龍之介の快楽殺人とほとんど変わらない気もします。 最悪×最強、そして・・・ Fateのラスボスコンビ、神父と英雄王の同盟がついに成立。 3巻終了時点で生き残ったサーヴァントは、セイバー、アーチャー、ライダー、バーサーカー。 バーサーカーが生き残るのは予想外だっただけに、次巻では台風の目になると期待します。 ちなみに、今巻で一番株が上がったのはバーサーカーだったりします。 次はどんなモノを宝具にしてくれるのだろう?(わくわく 総評 今回も超面白かったです。 とにかく予想のつかない、熱い展開の連続、連続は、ページをめくる手が止まりません。 1,2巻と比べると、比較的短かったのでさほど時間をかけずに読んでしまいました。 結局、今回脱落したのは扉絵にもなったキャスター、ランサー。 キャスター&龍之介は、Zeroで一番のお気に入り(コンビならば、Fateで一番かも?)だった事もあり、 退場は寂しいところ。けれど、もうやる事はやり尽くした印象もあります。 時臣とバーサーカーは、今回でかなり好感度アップしました。 まぁ、どちらも4巻の序盤で果てそうなのですが・・・(ぉ 4巻にして最終巻「煉獄の炎」は2007年冬発売予定。 長く待たされる分、最高に盛り上がる『バッドエンド』を期待してます。 |